Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

Amy winehouse

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astro.comのRodden Rating(データ信憑性のランク)がAとなっており、まあ信頼できるデータであるらしい。


Amy Winehouse (HD) "Rehab" Live on David Letterman


個人的に、月山羊座というところはちょっと疑問に思わなくもないが(出生時刻22:25とされている)、ASC双子座というのは分かる気がする。双子座18度のサビアンの象意も、まあ合っているかのような気もするので、ひとまずこれで解読してみる。

1983年9月14日生まれで、乙女座ながら火に5天体(月が射手座なら6天体)で火が優勢。地に3つ、風天体は冥王星のみ、水は土星のみ。個人天体は全てドライに入る。

ASCは双子座18度「中国語を話す二人の中国人」であり、影響を受けやすい自分を自覚し意図的に閉鎖的になり、その限られた対人関係からいくらでも影響を受ける、というもの。元旦那からの影響は、グラミー賞を獲るほど実力のあった彼女がジャンキーになってしまい、キャリアが台無しになるほどだった。それでも離婚後も何年経っても、まだよりを戻すことを考えていたという。

ASCルーラーは5室水星にあり、乙女座なので支配星かつ高揚の座であり、また度数も24度、太陽も乙女座でそのルーラーは水星にあたるため、水星が大変に強い。水星は言語・コミュニケーション能力を表す。この水星との角度は、木星天王星72度、月・海王星90度、カイロン120度。創作・表現のハウスにこのような強い水星なので、彼女の音楽にとって歌詞(言葉)は重要な要素。月・海王星と90度で、曲調としてはノリが良くても、その実、身を裂くような歌詞だった(月は肉体も表す)。薄っぺらな軽い歌、ノリや語感だけで作られたような歌は、殆どなかったように思う。

水星に木星天王星の72度は、社会の中で言葉によって自身の可能性を押し広げていく。自身の言葉を公表する場に恵まれたり、コミュニケーション能力によって対外的に力を及ぼしやすかったり。死後4年後に公開されたドキュメンタリー「Amy」では、代表作以外も含めた多くの歌詞を中心に据え、パパラッチの報道だけでは伝わり得なかった、彼女自身の素顔を炙り出す形を取っていた。また本国ではトーク番組などにも出ていて、かなり面白いことが言える人であったようだ。

歌詞については、こちらが日本盤の対訳よりも真に迫っているよう。



OFF COLLECTION - Amy Winehouse "Tears Dry On Their Own"


水星に海王星90度は想像力豊かで、ともすると思考が逸脱的。カイロンとは120度で過去の傷とともに在る言葉。海王星は太陽水星ともに90度で、言葉が引き裂かれた自己、過去の亡霊の潜んでいるドアを叩く。海王星は月0度で7室にあり、相当繊細に人の気持ちを感じ取り共感しやすいどころか、相手の気持ちを自分の気持ちと誤解しやすいほどで、人と自分との境界があやうい。「Amy」で、デビュー当時までの友人がよくエイミーにはからかわれたり、悪戯された、ということを話していたが、対人のサイン辺りに天体が固まっている人らしく、人のことが気になる・気が付く人だったのだろう。

彼女の音楽の面白さは悲惨さが歌われていながら、アレンジはドラマティックで祝祭的ですらある。プロデューサのマーク・ロンソンの手腕によるのかもしれないが(ちなみにエイミー自身は、マーク・ロンソンがプロデュースした初出の“Valerie”は気に入っていなかったらしい。確かに後発のバージョンの方が私も好き)、自分の感情に独りよがりに嵌り込んだ曲はない。その辺り他者のために奉仕的な乙女座太陽らしくもある。

時代が違ったといえば、それまでだけれど、あれだけ家族や自身の依存症などの問題が最期まで彼女を苦しめ、遂には死にまで追いやったのに、グランジのような自分の激しさや苦痛をそのまま生々しく吐露したようなスタイルの音楽にならなかったのは、月山羊座であったり、水天体が土星のみだった、というのもあるのかもしれない(ちなみにカート・コバーンはエイミーとちょうど反対の魚座生まれ。ライツ水、水のグランドトライン持ち、個人天体全て水と、合わせてなんと水が8つもある。火・風はなし。一緒くたに「27クラブ」などと言えど、当たり前だが全く違うタイプの人間だ)。

エイミーの場合、困難に対して情緒的に嘆くというよりも、途方にくれていたようでもあるし、火が強いので「見届けてやる」という決意表明もあったように思う。そしてギリギリのところでコミカルに転じるというような、凄みがある。結局は「Black」が彼女の生活を真っ暗に埋め尽くし、もうコミカルには転じ切れなくなってしまって、あんな最期を迎えてしまうのだけれど。彼女はコメディエンヌや図太いエンターティナーだけとしてあり続けるには、繊細過ぎたし、闇と相見える時間が長過ぎたような気がする。

 

私が彼女のことで好きなのは、音楽も勿論なのだけれど、あの見た目もある。長い長い髪を盛りまくったビーハイブヘアにキャッツアイは60年代のガールズコーラスグループ、女体の絵2か所なども含めた夥しい数のタトゥーはハードコア、クラシカルなドレスは往年のジャズシンガー、ジーンズやスニーカーはロックやオルタナを思わせる。節操がないというか。いや、好きなものを見た目にもぎゅっと凝縮したというか。タトゥーだらけの二の腕で、ビーハイブヘアとクラシカルなドレス、というのは、60年代のプロデューサーや作曲者に「歌わされていた」女性コーラスグループの亡霊が、ハードコアやヒップホップを経て、自分の言葉で歌い始めた、というふうにも見える。そう考えると、彼女は真のパンクスであり、フェミニストなのではないか、とも思えてくる。

ASCへの角度は、太陽水星90度、金星火星60度、海王星180度、龍頭0度、リリス120度。彼女の生き様や歌詞含めた作品の本質(太陽水星5室)と実はズレている(90度)見た目・衣装。けれど面白い上に妖艶で(金星火星60度・リリス120度)、あのスタイルがアイコンになった(龍頭0度)。ルーラーの水星も月や海王星と90度で、とっちからかったイメージになりやすいのかも。お笑いと言えば、双子座・射手座それに乙女座だと私は思っているのだけど、そこにがっつり天体・感受点がある人(計7つも)なので、見るからに面白くなりやすいのかもしれない。


Amy Winehouse - Valerie ( Nelson Mandela Birthday ) [HD]

彼女の人生が大変そうだった点について。太陽水星と海王星が90度というのは、いかにもアルコールやドラッグの依存を連想させる。7室海王星海王星的(幻想・幻惑・幻覚・欺瞞・枠/殻/アウトラインをぼかす)なパートナーともとれるし、パートナーから海王星的な(ここではドラッグ)影響を受けるとも読める。さらに、そのすぐそばの月は輪をかけて相手に同化しやすい。最初に書いたASCのサビアンも、そのことに拍車をかけている。

それもありつつ、個人的には強すぎる水星と月の90度も大変そうだな、と思う。乙女座の水星は支配星であり高揚の座、しかも1番歯止めのない24度。水星はその人の言語感覚・コミュニケーション能力を表すので、こんなに水星が強いと、おそらく月(本心)がどんなに疲れて傷ついていても、冗談が言えてしまったり、気遣いができて人のことを優先してしまったりする。周囲も彼女の振る舞いを見て、彼女自身が相当参っていたとしても、こんなに冗談がいえるなら、こんなに悪態がつけるなら、こんなに気遣いができるなら、まだ大丈夫なんだろう、などと思っていたのではないだろうか。強すぎる水星に対して、月は射手座~山羊座であるなら、おそらく公の場で自身の気持ちを優先しない人であるし、その上相手ととても同化しやすいので、自分を見失いやすい。

しかも彼女の場合、外への行動を表す火星は金星とともに獅子座にあり、ハタからは常に堂々として魅力的に見えてしまう。多くの人にとって彼女のイメージとは、若さにそぐわないほどのステージでの貫禄、物怖じしないストレートな話し方など、この獅子座の金星火星とASCの60度、そして強い水星の部分だと思う。彼女はステージでの歌唱を毎回変えていたという。即興性は獅子座の独創性と双子座の器用さの協調そのものだろう。加えて、水星は5室であり、5室は獅子座の象意と似ている。単純に水星は声の意味もあり、それを魅せる(5室)ということでもある。

けれど、強すぎる言葉がそのままその人の本心・心情、ではない。つまり言語/コミュニケーション能力が強くとも、それがそのまま心が強かであることと同じではない。強い言葉は外に対して動じていないということではなく、むしろ人よりも多く心に感受したものに対しての、切り返しのその力強さなのだ。彼女の歌詞もそうだと思う。混沌とした痛々しい状況を歌詞としてどう切り分けるか?という視点が常に存在している。この世の呪詛を彼女だけが使える魔法へと、祝祭的なまでに転化する鮮やかな切り返し、それは少なくとも音楽の中では、いつも成功していた。音楽や精神性の中でそんな離れ業をやってのける、そしてそのことをみんなとシェアしていた彼女がいなくなって、とても寂しい。

現在進行の天体は水星が乙女座25度、月がそれと90度。木星天王星が180度。彼女の出生図と似ている。言葉と気持ちの距離/関係性、そして賢いとは何なのか。そんなことを考えてしまう。


Amy Winehouse - Love Is A Losing Game (Live @ SXSW 2007)