Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

アンタッチャブル①/4【共通する世代天体】

ここ数年、ロバート秋山から始まり(文字通り)面白半分でお笑いを見続けていて、今時点で自分の中で出た結論がある。アンタッチャブルの漫才がダントツで面白い。なのだけれど、2010年以降このコンビでの活動はない。つくづく素晴らし過ぎるものは時間や社会の物差しで見ると、儚い。臨界点に触れるようなものは、長くとどめておけない。

これから何回かに分けて、チャートの解釈を書いてみる。まず今回は二人に共通する世代天体について。
※月の位置は正午で出している

二人は同じ学年の生まれなので、世代天体はほぼ同じ場所になる。土星天王星ザキヤマの方が次のサインにイングレス。アンタッチャブルの大きな特徴は、まず第一にあの図太い明るさ元気さ、胸のすくような、馬力のある大らかさ。これは元素でいえば火で、牡羊座木星に射手座海王星と、拡大・発展系の天体の両方が火サインにある。これは火が表す、明るさ・元気さ・直観的なもの・独立的なもの・挑戦的なものに関しては、いくらでも許す・解放する、という意味になる。

「許容する」というのは、そこにあるかもしれない可能性のため、それらを締め出すことのないよう、戸を外したままにするということ。木星は社会的な可能性、海王星は未来的なビジョン。何か創作・表現する際には、まずビジョンを描くか、過程においても可能性を取っておく。その時に「どこ」に可能性を見い出すか、それがアンタッチャブルの場合は、牡羊・射手座的なものに可能性を見い出す(上に羅列した明るさ・元気さ・直感的なもの・・・等)。拡大天体なので、多目に担保しておく、というか、その通路を殆ど全面開放する。こういった理由から、その人の創作・表現に木星海王星のカラーは出やすいと思う。二人ともこの木星海王星が、個人天体にがっつりアスペクトを取っている。

実際、彼らの漫才には台本がなかったらしい。M-1優勝の時でもそうで、理由は「台本があると山崎が固くなるから」「同じことが全然できない」。要所要所だけいくつかの箇条書きのメモ程度に決めて、あとはその場で即興。牡羊座は結果の見えている繰り返しを嫌う。それより、直観を信じ挑戦し、未知に飛び込んでいく。ルールを決めてそう徹底しているというより、それでいけると思えて、実際それでいけているのが、この木星(・海王星)の力なのだろう。即興であんなに斬新でありながら分かりやすいボケを繰り出せたザキヤマもすごいが、それにことごとく的確に切り返せる柴田もすごい。二人ともその時々によって、言い回しを変えてきているし、同じ内容のボケでもツッコミがちがう時もある。彼らの漫才はいつも力強い生き生きとした勢いと臨場感があるが、演技や演出でそう見せているのではなく、お互いがお互いに瞬時に反応し、その時その時ごとに新たに発見し合う、今ここで起こっている漫才なのだと思う。

ザキヤマは、この木星に月・火星60度、海王星120度。この牡羊座木星の場当たり感に、双子座の月・火星とそれらに120度の水瓶座の水星といった風(言葉、理知)の個人天体群が勢いづいて、何とかなんだろと大きく振りかぶる。海王星には月・火星180度、金星120度、木星と合わせて安定感のある、からっとした楽観性が過ぎる感じ(以前の記事でも書いたが、180度・120度は安定感を持つ角度だと思う)。柴田は木星に太陽・土星90度、天王星180度。活動宮のTスクエアらしく、せわしなく守備範囲広く判断素早く受け止めつつ(太陽90度)、同時に厳しくもありながら(土星90度)ザキヤマの独自性を引き出していた(天王星180度)。

ザキヤマは水星が水瓶座でその支配星の天王星と90度、予測できないながらも言われるとそう来たかというような、構造や前提自体を覆す大ボケは、大まかにこのアスペクトに集約されている気がする。柴田のチャートにおける天王星とはすなわち、ザキヤマなのだ。柴田曰く「俺は世界一面白くない。ただ俺の隣には世界一面白いやつがいる」。この❝俺は世界一面白くない❞に、太陽土星0度を感じる(自己卑下、自分に対する厳しさ)。この太陽土星天王星と90度。生涯関わりつづける、天王星的なるもの。自分のチャートを象徴する出会いがあるということは、だからこそ窺い知れず生易しいものではないとしても、それでもやはりとても幸運なことなのだろう。

それにしても、2004年M-1での決勝2回戦をやり切った彼らを見ての、西川きよし師匠の万感の思いを込めたような、心から満足そうに拍手する笑顔。元々とてもエモい人らしいのだが、こういうキャラなのだと思っても、たった今爆笑していたあとでも、見ていてじんとしてしまう。柴田は他の審査員から「横山やすしにそっくり」とも言われていた。ラサール石井島田洋七も柴田のツッコミを「普通じゃない」「もっと見たい」「やっぱり上手い」と口々に絶賛している。

前年2003年の敗者復活から最終決戦進出が初、優勝した2004年では審査員全員から最高得点で歴代唯一、合計点も歴代最高得点、最低点95点も歴代最高、1位と2位の差も歴代最大。また初の関西以外の出身者での優勝、関東圏はザキヤマが初、中部圏は柴田が唯一、よしもと以外で決勝に複数回出場したのも彼らのみだという。M-1の中だけでもこんなにも快挙づくし、またあの漫才を観たいと思うのは変わった意見でも何でもないだろうと思う(ちなみにamazon primeで歴代M-1を全て視聴できる)。

触りのつもりがこんなにも長くなってしまったが、次回は二人の個人天体を比較してみる。


アンタッチャブル漫才[山崎不動産]

 
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