Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

8室・関係性② 牡羊座・牡牛座・双子座

だいぶ経ってしまいましたが、前回のつづき。「8室の捉え方」について、くわしくは前回の前説をお読み下さい。

ざっくり言うと、8室とは「この人と付き合う/関係性がつづくと、どういう接し方をしてくるか」。つまり第一印象・仕事/公的な場面ではなく、親密になる・1対1で付き合うと見えてくる人格の部分

「何から数えて8番目とするか」だけ、再掲。

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■全般的な「関係性」

 出生時刻・場所が判明
・ハウスシステム:プレシーダ
 ASCから数えて、8番目のサイン
 →環境・境遇・事象/実質的な「関係性」

 太陽星座が判明
・ハウスシステム:ソーラーサイン
 太陽星座から数えて、8番目のサイン
 →内面的・理想的・主体的な時の「関係性」

・月星座が自分の性格に近い場合、
 月から数えて、8番目のサイン
 →受け身・やや流されやすい時の「関係性」

■こと恋愛における「関係性」

・女性、または消極的な男性
 金星から数えて、8番目のサイン
 →「愛してくれる・捕獲してくれる」相手

・男性、または積極的な女性
 火星から数えて、8番目のサイン
 →「愛する・捕獲される」相手

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色々書いてしまったが、概ね
・ASCから8番目
・太陽から8番目
この2つの合わせ技、と見ていいように思う。

さて、今回から12星座(サイン)別の8室。
起点となる室(ASC or 太陽) → 8番目の室
と並べて、その関係性を書きます。

1.牡羊座  →  蠍座
牡羊座は直観的。なので付き合う人がどんな人か、実は最初から何となく気付いている。が、牡羊座は基本的に自分自身のことしか解からないので、その後に実際どうなるかという紐づけ、つまり具体的なシミュレーションはあまり出来ていない。なので直観が大まかには当たっていても、そのあとの意識的に考えたことは外れていることも多い。その結果相手をよく観察することになる。8室蠍座らしく一途か、そうでなくても相手の深い暗いところ、ドロドロしたものを見ようとする。

牡羊座蠍座は、支配星が火星という共通点がある。1室・太陽側の自分自身は直観的に行動する火星であり、8室側の相手は持久戦の火星。どちらにしても熱く体力があるので、ごたごたがあっても関係は長続きするか、そうでなくても関係性の中で浸食されやすく、結果的に相手から大きく影響を受けやすい。

2.牡牛座  →  射手座
牡牛座は気に入った「もの」を溜め込むサインで、射手座は好奇心旺盛・過剰教養のサイン。どちらも自身の価値観にとって、とっておきの「もの」「知」を収集するという意味で共通している。なので牡牛座の人は、親密な相手(8室)に自分のコレクションを開放する(射手座)。1番好きなとっておきのものを奥の戸棚から、あとからあとから取り出し見せてくれるように。射手座は議論好きなため、その「気に入っているもの」に対して語り合ったり、情報交換したりすることを楽しむ。

牡牛座は人見知りのことも多いが、身内と見なすと第三者への辛辣な冗談を聞かせてくれたり、くだけて柄の悪い口調になったり。牡牛座の支配星は金星、射手座は木星であり、手を変え品を変えもてなし、楽しませようとすることも。今まで一人で黙々と貯め込んでいたものたちを、相手のために大盤振る舞いする。

3.双子座  →  山羊座
双子座は「言語化」の境界に立っていて、山羊座は「社会化」の境界に立っている。どちらもその境界線の内側の未分化のものを、そこから外へ出す前に一旦精査・審査する。その意味で責任を負い、気や神経を使っているという意味では共通している、と言えるかもしれない。言葉を綴るということが法則性や秩序に沿ってこそ、その気持ちが他者へ伝わり得るように、社会(公)的な活動も法律やモラルを守ってこそ、信頼や実績を得る(ちなみに「境界線の外」を次のサインとすると、情緒的な共有は双子座の次の蟹座の管轄であり、理念的な共有は山羊座の次の水瓶座の管轄でもある)。

そのせいか双子座は、相手に対して意外なほど真面目で控えめに接することが多い。みんなといる時はふざけていても、2人だけになる・もしくは楽屋裏に引っ込むと途端にナーバスになり、その落差に周囲が不可解に思うことも。8室は人に対する感情でもあるので、他者に対して過度に真面目に、また自己否定的に捉えすぎて、感情を押し殺したり、無闇に同調することを良しとしなかったり。その意味でも、やはり双子座の素質である饒舌さや言葉の冴えが、関係性の助けになるように思う。水星も同じく双子座、もしくは3室にある、または土星以遠の天体とアスペクトがあると、より自分のペースで話しやすい。1対1の場面で例え緊張していても、口をついて出てくる言葉が助けてくれる。

この時点で長いので、続きはまた次回に。