Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

相性における土星 ①/3

以前、地方都市の占い師さんに占ってもらったことがあった。その際「長期的・継続的な関係の相性は、土星が大事」とおっしゃっていた。

その意味について、それから考えてみたのだけど、いくつか自分なりに分かったことがある。ので、なるべく箇条書きで書いてみたい。

土星そのものの意味も説明しないと、相性にどう影響するか分かりにくいため、最初にそれを書いている。

鑑定の現場では、結婚・相性について聞かれることが多い。個人的には相手の土星と質問者の個人天体がハードだと絶対ダメ、とも思っていないが、無視できない部分であるとは思う。

そういった相手と関係が続くかどうかは、

①その個人天体に絡んだ緩和するアスペクト(吉角)があること。多ければ多いほど良い。金星・木星なら、個人天体に対してハードでも良い。

②相手の土星による審査を受け入れられるか、それでも一緒にいたいか。

にかかってくると思う。

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注釈)
N=ネイタル=出生図

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■出生図においての土星

土星は若い頃は苦手意識であり、積極的・主体的に使うと得意分野になり得るもの。

・なぜ苦手に感じるかというと、その土星の表す分野に対して、責任を感じるからだ。なぜ責任を感じるかというと、その分野の良し悪しが理解でき、理想の形を具体的に想像できるからだ。だからこそ、その「責任」を自分自身で引き受ければ、得意分野になり得る。

・多くの人にとってはこの苦手意識だけを意識でき、その理由である「土星の分野に実はかなり的確な批評性を持っている」ということは意識できていない。

土星は大人になると「社会人として最低限のルール」と感じる部分。言い換えれば個人がどのように自分と世界の秩序を保ち、また明日からも「私」を続けられるよう、行き過ぎないよう自制している、という部分。

・この秩序・自制という「責任」を引き受けなくては、この世では何も形になることはない。

・相性において相手の「土星を踏む」とは、相手の秩序・責任感など、日頃からその人が生きるために真摯に考えていることをないがしろにする、ということである。その意味で対人における土星は、はじめは見えづらいが、時間を経るごとに相互理解に必要な天体であると思う。

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■出生図の土星
相性への出方

上のことを踏まえつつ、相性における土星の力は、個人のNにおいて、以下のいずれであっても発揮される。

・個人天体(がどこにあるか)
土星アスペクト
・個人がN土星を使えているかどうか

ただし、これらそれぞれの種類によって、価値観・出方が変化するため、具体的な発露の仕方が変わってくる。発揮されるが、具体的な出方はチャートによる、ということ。

また土星の強いチャートの持ち主(個人天体を中心に土星アスペクトが多い、土星が目立つ場所にある、土星の品位が高い、山羊・水瓶に天体が多いなど)の方が、土星的なことに意識的であり、その逆は無意識的。

なので例えば、土星=許せないこととすると、土星が強い(=意識的な)方がなぜその許せないかについて、理論立てて説明することができる。

次回、例をとって具体的に書いてみます。