Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

個人天体 / 海王星・冥王星 - 120度・180度の違い 6/6【その他角度の所感】

海王星ソフト + 冥王星ハード
海王星ハード + 冥王星ソフト

海ソ+冥ハは、海120+冥180度と合わせて、私自身が若い時に出会って思い入れの深く、今も心に残っている人が多い。ランボーサリンジャークンデラ漱石、基次郎はだいたい読んだし、ランボーなどは伝記も日本語で読めるものはほぼ読んだ気がする。クラシックの作曲家で特に好きなのはスカルラッティバルトークで、カラスばかり繰り返し聴いている時期もあって、伝記の類も(殆どつまらなかったのだけど)4冊ぐらい読んだ。チェリストで1番好きなのは、ピアティゴルスキーだし、ブロンテもとても印象に残っている。

やはり自分と角度の同じ/似ている人は感じ入るものなのかもしれない。海ソの神秘的/幻想的な雰囲気をまといつつ、最終的に冥ハの根源的なことも叩きつける感じが、しっくりくるのかもしれない。

海ハ+冥ソは、海ソ+冥ハより癖が強いというか、変態性が強まっている気がしなくもない。多分パワフルだし、ナチュラルに他人に深入りしていくからだろう。それと俳優や歌手が多いようにも思う。監督やプロデューサーの夢や希望による我儘(海)を応えていく(180度)だけのタフさ(冥120)がないと出来ない仕事なのかも。そこらの歌手より歌手としても上手かった原田芳雄は、海180度以外にも月/水星/冥王星の火のグランドトライン(水星は魚座28度)も持っている。

ジャズや歌謡曲の歌手だけの人と、いわゆるSSWなど自作自演の人はやはり雰囲気が違うように思う。簡単にいうと、SSWは180度があり、全体的に循環的/連係的な図。いわゆるちゃんとしたいい曲を書き、弾き語りで一人でもライブ出来る人はそうなっている。

SSWでも、バックバンドを従えたり、毎回コラボしたり、プロデューサーがいたり、いわゆるいい曲というより独特の作曲をする人は、個人天体とそれより外の180度がなかった。演奏家もそうだった。きれいにそういうふうに分かれているので、ちょっと驚いた。

いい曲書いて一人で舞台に立てる人って、すごい才能なんだなと思った。独特な曲・個性的な曲を書けるというのも勿論才能だけど、自分の色や新しさを出しつつ自分以外の人が聴いても「(普遍性のある)いい曲」を書ける人って、やはり客観性が発達しているように思う。個人の個性(個人天体)を逆側から見る180度というのは、そういう働きがやはりあるように思う。Amy winehouseなどは180度こそないが、小三角の中にさらに小三角ができたような図で、しかもその角のそれぞれが2天体ずつの0度で出来ているという、すごく凝縮されてまとまった図。ジャズ歌手でもAnita O'dayやBeverly Kennyぐらい際立った個性で後世にまで影響を与えた人は目立つ180度がある。声質や歌い方など、歌唱スタイルそのものがメッセージ。意外とクラシックの作曲家や日本の作家も、180度がない人が多い。180度というのは、やはり「メッセージ」というものに関連があるように思う。

■ともにハード、ハード多め
■ともにソフト、ソフト多め
■ハード・ソフトどちらも

何度か聞いた意見として、「ハードとソフトのどちらもあまり差はなく、角度を取っているか・いないかで判断した方がいい」というのがあるが、データを書き出してみたところ、ハードとソフトの差はやはりあるように思う。例えばハードの角度を持つ天体を、ソフトのように扱えるようになるというのは、かなり意識的であったり、手痛い失敗を繰り返したりしないと中々できない気がする。並大抵ではないような。

ハード多めは、厳しい人生を送った人が多いように見える。シューマンの最期も悲劇的だった。もしくは強烈な作風。緊張感があったり、スキャンダラスである場合も。もしくはその強烈さや尖ったところが、人の心を打ち魅力となる。独自の個性が際立っている人が多い。ハードアスペクトはその人独自の葛藤であり、傍からは矛盾のように見えて理解されにくい場合が多いため、それを表現として昇華しようとすると独自のスタイルになるのかもしれない。

ソフト多めの方は、自然な魅力。存在や佇まいが自然で、意識したり計算したりしなくても、そのままで人に心地良さを与え、好かれる(受け入れられやすい)感じ。おっとりしていて、育ちの良さそうな。自然にかっこいい、普通にしていて素敵、という感じ。チェリビタッケがハード少ないのが意外だが、海冥以外でハードが多い。水星天王星180度、月土星/火星90度、木星180度など。作品としては多くの人に愛されて、周りからは恐れられるという、ジョブスと同じタイプなのかもしれない。

ハードもしくはソフト多めの人、ということで分けたが、これは個人のハードの部分・ソフトの部分と置き換えても当てはまると思う。基本的にソフトの部分は、割とそのままでも受け入れられやすい。ハードは自分でバランスを見つけていくポイント、つまり課題。

ハードソフトどちらも多めの人は、やはりバランスの良い感じがする。印象が柔らかすぎず、厳し過ぎずという。受け入れつつ、思ったことは言うみたいな。

■0度、0度多め
■0度、60度多め

0度多めとなると、海冥自体が0度の世代で、それらに0度の双子座が、数としては圧倒的に多くなる。内田百間は1889年5月29日、古今亭志ん生 (5代目) は1890年6月5日。強烈な個性に周りが合わせるしかない、という。でも憎めない雰囲気も併せ持ってるのはそもそもお笑いの双子座であり、それぞれ牡牛座・蟹座に金星があって木星と絡んでいるからか(120度・150度)。PJ Harveyも60度も2つあるが、個人天体と冥王星との0度が3つもある。

0度と60度多めは個性が強い(0度)ながらも、かなり優しそうでさわやかでもあって、その独特の個性がするっとその場に溶け込むような感じ。60度多めは場に馴染みやすいと思う。川西賢志郎にしろ、Daniel Waplesにしろ、バシュラールにしろ、実はかなり変わり者なんだけど、風通しが良く、すごく優しそうで爽やかな印象を受ける。

海王星のみ、海王星多め
冥王星のみ、冥王星多め

海王星の角度が多い人はとにかく漂わす雰囲気が柔らかかったり、掴みどころがなかったり、とぼけていたりするイメージ。もしくは作品がそう。冥王星の角度が多い人は、その強烈さに周囲が合わせざるを得ないイメージ。そう考えると海王星自体の象意は、角度に置き換えると、ざっくりソフトに近く、冥王星はハードに近い。

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これにて、このシリーズは一旦終了。ちなみにこれを書いていた時、ちょうど太陽/海王星120度・冥王星180度だったことに、書き終える頃に気付きました。ちょうどいい時期に書くことができたかもしれませんし、もしくはそういう経過図だったから、ふと書いてみようと思ったのかもしれません。その前にShakey Gravesの音楽に惹かれたのも、そういう時期だったからなのかも、と思ったり。