Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

帰省

春分の日辺りから5日間、帰省してました。甑島へ行く予定が、春分の日は台風並みの強風で船が欠航。去年も新島行の船のチケットを買っていたのだけど、それも天候のせいで欠航。どうやら島旅には縁がないのかもしれません。

私の生まれたところは、かなりの田舎。市町村合併で名前も変わり、母校は小・中・高どれも廃校。近所のお店も軒並み潰れてゴーストタウンなりかけ。「寂れた」で想像されるよりずっと殺伐とした風景が、合併された町まるごと延々続いてく。田舎者と言われても、多分その人が思うよりずっとごっそり何かがないので、その揶揄すらピンと来なかった。

持っているカメラはPENTAXのK-5Ⅱ(デジイチ)で、ほぼ「鮮やか」モードで撮っていて、そのこっくりした厚みのある色彩が好きなのだけど、そのPENTAXの「鮮やか」を持ってしても、いかんともしがたい地元の強烈な色褪せ具合に驚いた。子どもの頃の歩いた場所を自転車で散歩し、いつも通りどこ切り取ってもキラキラしてないので、カメラを向けること自体あまりしなかったけど、1枚だけまずまずのが撮れたかも。


風が強く目が悪いこともあって、最初川の中央にあるのが何なのか分からなかった。おろち?ネッシー?と行ったり来たりしながら見てたら、この強風で根こそぎ倒れた木だった。昼過ぎの、何の影も落ちない川面は、テレビの砂嵐がパチパチ光ってるみたいで、しばらくはそのおろちふうな何かが、泳いでるのか止まってるのかも判別できず、一人でうろたえた。

3月でも何か知らないけれど極寒だし、粗雑に褪せ切った風景ばっかりで、よくこんなところで育って、それなりに明るい人に育ったなと自分に感心したりした。いじわるもしないし、されても流せるし。まあまじめな中年ってだいたいそんなものか。

中学があった場所の近くの小さな売店で、当時買った手作りのジャムが忘れられないぐらい美味しかったので買いに。店番にいたおじさんに聞いたところ「あー20年前ぐらいに売ってましたね。自分も今、久しぶりに思い出しました」とのこと。この人のおばあちゃんが作っていたのかもしれない。店内の売り場は3分の1ぐらいで、売ってるのは今はほぼ煙草、あとは特に仕切りもなく埃かぶった農具や釣り具の物置きになってた。そっか。ジャムは自分で作って再現してみようか。りんごのジャムだった。

他、少し出かけた写真をいくつか。









車で行けるどこを行っても暴風域なので、室内で過ごせる美術館へ。常設展で色々な画家の作品が展示されていて、地元や最近の画家から、小品ながら有名な画家のものも。並べて見ると、セザンヌやモネのオーラだか気迫だかは、やっぱりすごいんだなと。描こうとしてることをはっきり掴んでいる。自分の意志と、自分が呼ばれてる方とが、歴然とつながっている。その筒の端と端が、洗濯ばさみでちゃんと止められてるみたいに。見つめる先はキネトスコープみたいに極私的で、それと同時にその一対の目には十分に事足りるほど見晴らしがいい。セザンヌは線から強烈に頑固そうでいいな。筆致が天啓そのもの。強いものは何でも羨ましい。東京でまとまった展示があったら観に行ってみたい。夏目漱石の初版本の装丁を手掛けた画家・橋口五葉が県出身と知れたのも何だかうれしい。

西郷南洲顕彰館」については、こちらにも書いた。観に行って本当に良かった。多分に同情的な人だったようだし、それと漢詩の雰囲気から、ひょっとするとこれは魚座の金星かも、と思ったらやっぱり。木星も私と同じ蠍座木星のようで、勝手に分かるーと思ったり。蠍座木星モリッシーもだったりする。笑 蠍座木星の使い途がいまいち分からないので、夢で集まりたい。

まあ発見だったのはそんなところ。結論は上手く伝わらなさそうなので、書かずにしまっておきます。