Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

8室・関係性③ 蟹座・獅子座

■8室について、前提

牡羊座・牡牛座・双子座

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4.蟹座  →  水瓶座

蟹座は面倒見が良すぎて、愛情が濃すぎて、「身内」との関係性において、ほどほどを越えてしまいやすい。

基本的に8室の支配星が外惑星もしくは8室に外惑星があると、身内との関係性は「ほどほど」を越えやすい。8室支配星が外惑星とは8室が蠍座水瓶座魚座にあたる、太陽もしくはASCが牡羊座・蟹座・獅子座のサイン。

●8室の支配星が外惑星

太陽 or ASC    8室

牡羊座    → 蠍座
蟹座     → 水瓶座
獅子座    → 魚座

●8室にある天体が外惑星

8室:
天王星
海王星
冥王星

ちがう言い方をすれば、これらの人たちは、日常から離れたい時、身内を通して非日常を体験する。「一般的」「社会的」の外へと突き抜けたい・踏み外したい衝動を、身近な他者を通して実現する。つまり意識的であれ無意識的にであれ、そういった常識的でない関係性を望んでいる、ともいえる。

この蟹座の場合、悪く出ると、身内に対して激しくなるか、身内のためにやせ我慢する。例えば「無償の愛」の実践とは、本当に何の見返りもなかったら、つまりは実践した方がやせ我慢し続けるということになる。

水瓶座の支配星は天王星、副支配星は土星であり、どちらも「減らす」意味のある天体。この2つの星が重なる・または合以外でもアスペクトをとると、平均的・一般的なラインよりも、ごっそり何かが削ぎ落される、つまり体面というガワ(土星)が割れる(天王星)、というような象意になる。身内との関係性で「体面」が崩れてしまうほどのことが起こりやすいかもしれない。

8室にあたる水瓶座は、俯瞰的で観念的なところがある。「世のため人のため」という意識も強く、俯瞰的・観念的なため自分自身の情緒や身体の変化・異変がかなり大きくなるまで気付けず、もしくは気に留めず、また固定宮なので、気付いた後でもその状態が長く続きやすい。

結果的に身内や情の湧いてしまった相手のために、身体や生活が破綻してしまっても、どこまでも尽くすことになってしまう。結果的に過保護・過干渉となることも。

逆にいうと、その「無償」がどれだけ尊いものか理解できる相手なら、その温かな情感で相手を一回りも二回りも大きく成長させることができる。自信を持てない(土星の象意の1つ、山羊座の支配星でもある)相手に個性・独自性(天王星)の発露を促すことにもつながる。

その意味で相手の自尊心を尊重するということは、自分の生活を守ることにもつながる、ともいえるのかもしれない。

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基本的に8室の支配星が土星以遠であれば、関係性の中で劇的なことが起こりやすい。反対に8室支配星が金星などの軽めの天体であれば、相手の重たさを受け止めない。

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5.獅子座  →  魚座

太陽の支配星は獅子座であり、太陽とは目的を持って、意識的に獲得していく天体である。だからなのか、この太陽に対して意識的であるか・ないか(獲得しているか・いないか)で少し分かれるように思う。

獅子座は王様・ジャイアニズムなんて言われたりもする。ものの本によると「自分より目立つ人は苦手」とまで書いてあったりも。ジャイアンスネ夫のび太とばかり絡みたがり、出木杉君には興味を示さないように、おとなしくついて来てくれる人・ほめてくれる人と一緒にいたがる。つまり顔がいいとか、頭がいいなど能力があるとかではなく、それよりも「御しやすい」人を好む傾向が。

なので「何でこんな人と?」というような、変人・陰キャ・か弱げな人/対象に対して熱い愛情を注ぐ。蟹座と獅子座は保護本能が強く、「ほっとけない」から愛情へ発展する。その意味では周囲の評判は全く気にしないが、目の前の人としっかりつながっていることが何より大事になる。

8室にあたる魚座とは「最弱こそ最強」というサインである。人当たり柔らかく、ナイーブ・脆そうに見えるので関わるみんなが手を貸してくれて、それによって独立的なサインよりも却って大きな力を得ることもある。

なので獅子座の関係性とは、最初はいうこと聞いてくれそう、と思っていた相手が、実はなかなかの曲者だったり、従えるつもりが、いつの間にかむしろ相手のペースに巻き込まれていたりすることも。魚座的なのび太が、ドラえもんという異界(海王星)とつながっていて、時折想像だにしなかった逆襲を見せるように・・・

関係性における獅子座の良いところは、相手の可能性を引き出せるところ。大方の人が見過ごしてしまうような相手から、可能性を大きく開花させるところまで持っていける力がある。面倒見の良さと偏見のなさ、自分を強く信頼しているので周りに振り回されず、また固定宮のためその状態が安定的に長く続くためなのだろう。

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前回よりも長くなったので、つづきはまた次回。