Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

2018 春分図

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2018年の春分図。今年に何が始まるのか。

ASC山羊座4度のサビアンシンボルは「大きなカヌーへ乗り込む一団」、強い結束による共同作業。このASCにのる火星は2度「三つのステンドグラスの窓、一つは爆撃で損傷している」。自分の精神性が他者に通じないことを痛感し、だからこその本当の積極性を手に入れる度数。つまり共感に頼らず、対外的に何かを実践しようとする。1室にある土星は9度「ハープを運ぶ天使」、自然な時間の流れに沿って必要なものを手に入れる。

これら1室をまとめると、一度挫折を味わい、甘さを排した人たちと協同作業し、しかるべき時に向けて努力する、という感じ。1室山羊座に支配星の土星と高揚の座の火星なので、自分や自分たちを社会的・対外的に打ち出す時。外の世界にも通用するクオリティのもの、その水準をクリアしようとする真剣さと熱さがある。それは挑戦的でありながら、具体的で実践的。

春分の日は雪が降った。遅れてまたここに降ってきてくれた雪が、何だかかわいらしくも思った。厳しい寒さといえばとても山羊座らしいけど、春先の雪はどこか淡く儚くて、やさしさやゆるさも感じた。この火星と天王星はゆるく120度であり、天王星は4室。春分の日に見た景色と相まって、今まで慣例的に思っていたことをするするとほどくように変えてしまうような、そんな気もする。この火星ASC土星は、4室牡牛座の月と120度。4室入口の天王星が、家の中もしくは自身の内面に持ち込むものを峻別し、その上で月が、本来/生来のやりたいことに集中し没頭する。今まで諦めていたことも出来そうな気がしてくる時。そのことを再開してみると、以前より明確な目標を持って継続的に努力できることに気付く。合わせて、天王星は5月に牡牛座入りする。自分を新しくする習慣/環境づくりにはとても適しているかも。

春分図の太陽と火星は90度になるが、火星は牡羊座の支配星なので、太陽の意志を折ることはなく、むしろ手助けする。好奇心の赴くままのうろつき/ふらつき・分析/軽口は刺激になり、頭を冴えさせ、それが英気を養うことにも。太陽は3室の牡羊座で、身近な日常の場から、ふと発見した何かに直観的に飛び込む。水星金星はいずれも牡羊座17度で、果てしなく隈なく分析し、曖昧さを明確にしていくことを楽しむ。飛び込んだ未知の場所で、立ちはだかる壁があるかもしれないが、隅々分析し続けることによって、それはただの障害との遭遇ではなくなり、今まで曖昧だった「質」「水準」が具体的にどういうことなのか、それが冴え冴えと書かれた壁となるだろう。それを読み取ることができたなら、そのことを外の世界に向けて試したくなる。

牡羊座には太陽・水星・金星・天王星があり、身近な範囲やふと出かけた先、その会話の中で、新しい発見や楽しい出来事がありつつ、土星冥王星と90度なのでそれらの唐突な中断や、どうにもならない感情も体験するかも。1室山羊座冥王星なので、その中断は自分主体での中断であることも。自分には行かなきゃいけない道があるから、と楽しかった場所を一時離れたり。もしくはその揺らぎの渦中にはそう思えなくても、結果的にその選択が「自分の将来のためであった」ことに気付くのかも。

けれど、その何かを選ばなければいけないということは、その選びとった瞬間、一遍に研ぎ澄まされていくということにもつながる。それによって自分自身が象られ、重心が定まっていく。そのことが何か挑戦する時に、安定をもたらす。その挑戦がひいては生活のリズムを変則的なものにしたり、ここまでと拍子記号を変えてしまったり(4室カスプ天王星)。新しいリズムを刻み、新しさを日々の生活に組み入れていく中で、そこから生まれてくる新しい安定感は、手放した何かや何かの不在という存在が支えているのかもしれない。決断とは、例えばそんなふうに自分を整えることでもある。

そうだとしても、それでももし手放さずに、迷い続けることを選ばせた何かがあるとしたら、それはそれほど大切なもの、ともいえるだろう。それは日常を越えて、思わぬ場所へ連れて行くようなものとなるかもしれない。手に負えないほど激しく揺さぶられても、それでも手を離せないものなら、その「愛」は忘れられない体験となるだろう。

と同時に、1室冥王星は11室蠍座木星と60度なので、社会や人々のために発揮する個性ならば、尊重される空気があるかも。例えば自分に出来るやるべきことを思い出し、自分から会話や散歩の途中で唐突に「じゃあね」と告げても、周りはそれを受け止めてくれる、というような。そうして走りつづける日々にふと、誰かのゆるやかながら深いやさしさに気付く時があるのかもしれない。そのことで救われる気持ちがして、確かな足取りで次のドアを開けることになる(木星とカイロン魚座29度120度)。

3室牡羊座のタイトな合の水星金星は、8室獅子座のドラゴンヘッド・バーテックスと120度。ドラゴンヘッドは獅子座13度「揺れている年を取った船長」、話が脚色され大げさになるが話し手として熟達する。上に書いた新しい発見や体験によって、自分の道を行く足どりによって、それらの揺り戻しを分析して過ごすことによって、今まで言葉にできなかった領分に言葉が与えられる。そこで手にした言葉は、ごく親しい人にか、もしくは密室のような場所で語られるのだろう。それは熱く輝いていて、駆り立てるような言葉(4室牡牛座月との90度も)。何か自分のこれまでについて語る必要に迫られるのかも。

まとめ:日常の中でふと見つけた、奥まったドアを開けると、そこで自分の内にある激しさを見つけ、本当の意志に触れる。それは社会や外の世界に貢献することでもあるのだと気付き、現実の世界で何かを取りに行く。未知のただ中で、不安を徒に煽るのではなく、それらをかき分けるように、次々と分析していく。今年のそんな挑戦は、何らかの具体的な形に結実しやすい。達成できた暁、年明けぐらいにその同志たちと、この1年の内的な成長を祝う、そんな年になるかもしれない。

キー:挑戦と具象化・具現化・具体化、その合間の分析。「実践」に向かう年。