Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

8室について⑩ -天体ごと➌金星

8室にある天体、つづき。5ヶ月ぶりになってしまいました。私の2023年太陽回帰でも4~7月は忙しく(特に4月)変化の時だったので、、と一応言い訳。書くのは楽しいので、最後まで書き切りたいとは思っています。気長にお付き合い下さい。

*

金星は感性・センス・感情/愛情表現・人といる時の感情・社交の場での雰囲気などを表す。センスとは書いたが、金星のセンスは「感受性」「受容性」、つまり何を好むか、どう感じるか、何をどう受け容れるかなど、インプットのセンス。これは感覚なので、意図的でなく自然とそうなる、といったもの。ファッション・パフォーマンスなどはアウトプットで、そこには目的があるので、火星の影響が強い。言い換えると、火星は方向性・アウトライン・枠、金星はその中の色・質感など。火星の目的意識が大枠の「こうしたい」を決め、金星はそれら枠組みの合間に見える、その人の自然な感受性のカラー。火星は志向、金星は嗜好。

8室金星の人たちは、8室が表すような、ゴシック・デカダンス・ダーク・ダーティー・マニアック・混み入ったものを嗜好する。作家のボードレールシャーロット・ブロンテ、ミュージシャンではビリー・コーガンスマッシング・パンプキンズ)、ミッシー・エリオットケイト・ブッシュロバート・プラントレッド・ツェッペリン)、ニコ(ex. ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)、映画監督のジム・ジャームッシュなど。ケイト・ブッシュはめちゃくちゃ美人だけど、曲やパフォーマンスはティーンポップスとはかけ離れた、独自の世界を追求した。スマパンはもろゴシックだし、ニコも低い独特の声と閉塞的な単調さがはまると抜け出せなくなる。ツェッペリンジム・ジャームッシュなど、それまでのいわゆるポップさには入らないマニアックなスタイルを開拓して、それが後世に大きな影響を与えることも。明るい・分かりやすいポップさではなく、独特な視点・追求で衝撃を与えるというのも8室っぽい。

---

また声も金星の影響が強いように思う。補足的にサインごとについても書いていたのだけど、長くなったのでそれは次回に。

8室に金星があると、内に秘めた雰囲気の声になる。低い・渋い、また感情を押し殺しているきらいがあるので、一見するとクール・地味など。雰囲気・印象としては、ミステリアス・控えめ・暗い・しかめっ面・不愛想・気だるい・射るような眼など。8室は「溜めて爆発」のハウスなので、インタビューでは人見知り・大人しい・地味だが、パフォーマンスで途端に振り切れるというタイプも。

以下、金星が8室にある人の映像。声・雰囲気などに、8室みを感じないだろうか。

NICO 8室 金星 射手座2度



Jeanne Moreau 8室 金星 射手座24度



Kate Bush 8室 金星 蟹座11度



Jim Jarmusch 8室 金星 魚座20度 / 火星 魚座18度



Coco Chanel 8室 金星 獅子座18度 / 太陽 獅子座27度 / 水星 乙女座15度 /
天王星 乙女座23度

例えば銀幕スターのドリス・デイも金星が8室なのだが、いわゆる当時のブロンド美女で、明るく溌溂としたイメージながら、実際に歌声を聞くと渋いのでびっくりした覚えがある。彼女の金星は殆ど牡牛座に近い牡羊座の終わりにある。時代がちがったら、もっとちがうイメージのスタイルだったかもしれない。時代を経るごとに何でも細分化が進み、マニアックというものも飽和状態だけれど、逆にいうと8室的な「混み入った」感性をストレートに表現しやすくなっていっている、ともいえるのかもしれない。