Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

「魔術」、「エジプト」について

ここに越してから3年目、家出て見えるところにあるのに、図書館はじめて行きました。江東区の図書カードが江戸百景なの、なんかうれしい。やっぱ江東区好きだわ。ついこないだ朝5時に自転車で荒川の大きい長ーい橋越えて、どこも開いてないのでそのまま帰って来たところだった。早朝徘徊🌞



エジプトについてよく分からないので、何冊か借りに。Amazonでも簡単に調べてから行ったのだけど、それらよりその場で手にとった本の方が良かった。書店もそうだけど、やっぱり実際に見に行くの大事ですね。クリス・ゴスデン『魔術の歴史: 氷河期から現在まで』、あとで買おうかなと思うぐらい良いです。

何でも著者は、オクスフォード大学考古学教授、ヨーロッパ考古学研究所所長、大英博物館理事(なので特に占い師・オカルト系ではなく)だそうで、考古学・人類学・民俗学から「魔術」を捉え直すとのことで、何ていうか…すっごく読みやすい。アレイスター・クロウリーの著作を頭抱えながら読み直してたあとだから余計に。笑 訳もきれい。

エジプト文明」もそうなのだけど、そもそも「魔術」の定義もよく分からなかった。そう思ってたところ、この本の第1章が「魔術とは何か、それは何故重要なのか」。そして、第2章「超古代の魔術(紀元前四〇〇〇〇―六〇〇〇)」で氷河期でのそれが綴られたあと、第3章「都市の魔術―メソポタミアとエジプト(紀元前四〇〇〇―一〇〇〇)」とあって、どんぴしゃ。

曰く、魔術とは

-私が用いる定義は魔術とは参画であるとするものである。
-人間は直接的に宇宙に参画し、宇宙はわれわれに影響を与え、われわれを形作る。
-参画とは神秘的状態ではなく、深い関与を意味する。
-魔術の根本は人間が世界と繋がっているということ。
-レヴィ=ストロースにとって魔術とは宇宙の人間化であった。
-魔術は単に世界の知的理解のみならず、情動および心理的・霊的状態を通じて人間のより完全なる諸相に参与させる。

-人類史は総体として魔術、宗教、科学の三重螺旋から成り立っており、三者の境界は曖昧で変動的であるが、それら相互の緊張関係は創造的である。魔術、宗教、科学からいずれかを選択することは不健全であり、三者それぞれに歴史がある。
-私の物語の重要人物であるニュートンは、ジョン・メイナード・ケインズによれば、最初の科学者というよりも最後の魔術師であった。ニュートン自身、自らが創り上げた純然たる機械的宇宙論は全く言じていなかった。彼は生涯の大部分を聖書予言の研究に費やしていたが、また錬金術にも耽溺し、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの研究室に二つの炉を稼働させていた。
-一見、極めて異なってはいるものの、魔術と科学には多くの共通点がある。いずれも世界の作用、およびその作用から人間が利益を得る方法を理解しようとする試みである。
-われわれの表層的な思考や議論の下にはわれわれと世界との関係に関する、より深い直観と欲望がある。魔術と科学が分岐するのはこの点である。

などなど。「魔術」について、著者自身の定義としてはいるものの、すごく明解で納得。第3章でのメソポタミアとエジプトについては、

-メソポタミアでは、人間の王は神々との仲介を行なう力を持っていた。エジプトでは、ファラオは多くの点で神であった。
-エジプトとメソポタミアの思想は「宇宙神学 cosmotheologies」というあまり優美ではない呼ばれ方をして来た。そこには多くの神々が存在するが、崇拝されるのは宇宙全体である。
-「エジプトの宇宙は生きており、同時に性的かつ霊的、物質的にして宗教的、恍惚として魔術的、かつ科学的である」。殆どの、というかおそらく全ての古代国家及び哲学にとって、宇宙は生きており、知覚を持ち、人間の呼びかけに応える。
-古代の世界では、人間は宇宙から切り離されてはいなかった。寧ろ古代の国家と社会は、人間がどのような形で知覚ある宇宙と協働しているのかを探求した。
-魔術と宗教は常に連絡を取り合う近しい親戚であり、その互いに実践方法を交換し合っていた。
-紀元前第三千年紀の最初期の記述では、神々は為す者ではなく、在る者であった。神々は自然の中にいるから自然なのであり、超自然のものではなかった。同様に人間社会も自然の一部であり、故に神々と連続している。
-初期メソポタミアの神々は太陽、月、水などの力であり、故に彼らは人生のこうした位相について考えさせ、人々に彼らについて論じ合わせ、彼らとの付き合い方を考えさせる。その言葉のあらゆる意味に於ける「付き合い」である。

ようやく、ジェブランとその同時代の人たちから、黄金の夜明け団クロウリーに至るまでの「エジプトへの憧れ」が分かるような気がしました。聖書以降の時代と比べると、多神教一神教というその単に神様の数だけでなく、存在や関係性がかなり異なるようで。

それともう1つ、ずっと疑問だったことが解けたのですが、長いのでまた次回に。