Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

Apple Musicの「はじめての○○」はおかしい

KEXPでOkkervil Riverが出てた。あれ、こんな感じだったけ?と思った。Julie Doironとスプリット盤を出してた時はかっこ良かった。それで久しぶりにJulie Doironを聴く。「あなたが奇蹟だと思っているものは、9年後も奇蹟であり続けている」という言葉を思い出す。

昔、Julie Doironの音楽しか聴けなかった時が5年ぐらいある。だいたい10代の終わりからに当たるが、今思うとその時の彼女は次々と「奇蹟」の作品を出していた。ど田舎生まれの自分がよく、ほぼリアルタイムで出会えたものだと思う。確かタワレコの情報誌でほんの4、5行ぐらいの小さな記事だったけれど、その「ただならなさ」が多分本当だと感じた。それから実家を出て、2年半で7回引越をした。お金がなく毎回仕方なく次の場所へ行く。将来が不安とかではなく、来月が、来週が、一寸先が闇だった。夜、次の土地へ行く新幹線の窓に灯が反射し、イヤホンから『Desormais』というアルバムの最後の曲「Faites De Beaux Rêves(2)」が流れる。次の場所もまたちがった色をした不運があるだけ。けれど、そんなこと取るに足らないと、思わせるほどの美しさが彼女の歌と音楽にはあった。そしてまた1曲目の「Ce Charmant Coeur」に戻るのだ。

調べてたら、2014年にはiPhoneのCMに「The Life of Dreams」が使われていたらしい。なんでこの曲だったんだろ。それでApple Musicの「はじめてのジュリー・ドワロン」を見たら、これ以降の曲が殆ど。選曲おかしいだろがい。なので、次から独断の選曲を書く。最初に書くと、Julie Doironの作品歴は、作風は全く違えど、PJ Harveyに近いものがあると思う。PJ Harveyは世界的により広く評価されたのは2000年以降だけれど、それより以前の『To Bring You My Love』まで、アルバムを作る度に精神科に通っていたらしい。おそらくそんなふうに文字通り、Julie Doironも精神を魂を削って作品を作っていたので、多分どこかの時点で疲れてしまったんだろうと想像する。それでも今もずっと素晴らしい人には変わりない。でもその命がけの「きわ」が聴かれないのはもったいない。バンド編成と宅録(ふう)と分けて、まずはバンドの方から。