Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

天体の時間的作用 ③/6 相性 - 内面性

前回:

人との関係性において大事な「縁と相性」のうち、今回は相性、特に内面性の相性について。


■ 縁・相性 必要なもの
縁(A):
不確実でも速さ、殻を割る衝撃、強さ、気付かせる
相性(B):
遅くても確実さ、中身への浸食、やわらかさ、詰んでいく

 相性(B)- 内面性:
相性は「縁」で書いたような、衝撃や早さは要りません(縁については前回参照)。衝撃や早さはつまり勢いが必要ですが、相性は勢いよりも相手の心に「持続的に残るもの」が置いていけるか・詰んでいけるかどうかになります。つまりここではスピードや反射神経よりも、相手の琴線に触れることができるかどうか。

相手の琴線に触れるとは、そのことで相手を惹きつけ、ひいては相手の行動を促す・おびき出すことともいえるでしょう。琴線とは、相手のより大切な・核・やわらかい部分であり、金星・太陽・月にあたります。ここでいう関係性においての行動は(実行部隊の)水星・金星・火星であるので、パーソナルスペース(≒公転周期)でいうと、これは内側から外側への流れ。つまり相手の芯に触れることによって、相手の行動を促し、そのことで縁・接点・機会・きっかけが生まれるということ。

ということは、普段から正直・素直に自分自身でいると、その人にふさわしい縁やきっかけが増えるということ。個人天体を普段から発揮しておけば、必要な縁につながることができる、といえます。

土星以遠の天体はその世代の課題を表し(世代天体)、それについて考えることも重要ですが(次回で書きます)、その土星以遠の課題にただ溺れ・埋もれてしまうと、ふさわしい縁とつながることは難しく、縁遠くなるのではないでしょうか。個人天体が世代天体に対して、向き合って自分なりの答えを出せた時、つまり個性を発揮できた時、人は他人から見て魅力的になるのだと思います。そしてそこで得た答えを、他者や他者との関係性においてシェアできれば、一人でいる時よりさらに楽しくなるはずです。

●内面性
・月:
個人的な感情・内輪的
・太陽:
生き方


■ 特に内面性への相性における、天体の使い方

・月:無意識的な時の自然な雰囲気、やわらかさ、生理的、私的
・太陽:意識的な時の自然な雰囲気、たのもしさ、哲学的、公的

この2つの天体はその人の根幹の部分を表しますので、片方aの月・太陽に片方bの天体の多くがアスペクトを取っていると、

・片方a:月or太陽
      |アスペクトが多い
・片方b:天体群(とりあえず何でも)

aはbの影響を受けやすくなります。bはaを変えやすいということです。というとちょっと聞こえが良くないかもしれませんが、aからするとbは、自分がなりたい方向(太陽)へ成長できる・気持ち(月)が安定することができる、大きなヒントになるのです。aから見てbは「ちょうどほしかったもの」、つまり「今まで1人だと分からなかった、自分の発展(太陽)・休息(月)の仕方」を教えてくれる相手になります。

これが個人天体同士(が多め)だと、bの側も盛り上がりますが、bの天体群が社会天体以遠(が多め)だと、aのbに対するリスペクト・驚きなどの気持ちの盛り上がりが、bにはあまり伝わらないかもしれません。

他にもシナストリーで、以下の天体と影響の大きなアスペクトがあれば、琴線に触れやすいでしょう。

・太陽の支配星
・ASCの支配星
・男性側の金星
・女性側の火星
・水星座にある個人天体
・片側の出生図でノーアスペクト

出生図の中の琴線とは、

エネルギーが豊かに流れている
 テーマ、主眼(のため反応しやすい、
 すぐ反応・変化できるエネルギーがある)
やわらかい(影響されやすい)
足りていない(欠落感・欠乏感)
・(個人だと)使い方が分からない
 つまり普段は刺激されることがない

部分といえるでしょう。