Astro Japonica

楽しい 占星術ノート

8室について③ -関係性

前回①②からの続き

8室の意味として、「圧縮」と同じぐらい大きな要素が「関係性」だと思う。

8室に天体があるとその分、8室の示す事柄が人生の割合を占めることになる。これは本人にとって必ずしもプラスの方向に働くわけではない。これは8室に限らず、どのハウスについてもいえることだけれど、そのハウスにある天体・アスペクトによって異なる。

このうち天体だけを例にとると、個人天体から(現世的な)社会天体ぐらいまでは、その8室の強さ以上のアフリクト(いわゆる凶星・外惑星とのハードアスペクト)がなければ、「関係性」において本人にとって有利な方向に運びやすい。太陽・水星・金星・火星・木星がそれ。有利というのは、関係性において優位に立ちやすい、コントロール(支配)”する”・影響を”与える”側になりやすいということ。

支配というと、きつく聞こえるかもしれないが、8室優勢で一見優しそうな人でも、自分が犠牲となる・損する・被害を被ることにはならないよう、流れを持って行くことが上手。8室の管轄は「組織」であり、そこで影響を与える側であるといううことは、良い面としては、その場の状況を改善していることも多い。さらに不当な犠牲から自力で回避できることは立派な才能だと思う。この影響力の強さは、他者に対して毒にも薬にもなり得る。その強い力を自覚して、時に自制することも必要かもしれない。

個人天体の中でも、は、むしろ上に書いたようなことが苦手で、コントロール”される”側、影響を”受ける”側、つまり振り回される側になりやすい。8室が健全で強いと、浄化の力も強いように思う。関係性の中で、自分の力で流れを変えることができるからだ。月の場合はそれができない。例えば近くに沈んだ人がいる時に、場を明るく変えられるのが太陽、相手と同じく沈んでしまうのが月。月は弱点なので、そもそも何もできない。例えば猫に重いものを持てといっても、できないのと同じ。弱点をどうこうするのではなく、苦手であるということを認識していることが大切。月で対応しようとしないこと、月の苦手なことをしないこと、逆にいうとそれで十分だとも思う。

土星は、関係性において自分にとっても相手にとっても「壁」になりやすい。リラックスした感情の交流はしにくい。どちらにとっても、努力を課すように思う。大切な相手ほど時間が必要になる。でも、だからこそ時間をかけることができれば、バランスのいい関係になる。

外惑星(天王星海王星冥王星)は、関係性において、常識外のことが起こりやすい。若い時はどうしていいか分からないことも多いかもしれない。あまり一般論に当てはめず、そのことを受け容れた時に、自分の力を発揮できる。先に書いた通り、8室は圧縮・変容の場所だからだ。受け容れたものを凝縮して、力強い発想・方法を生み出す。そのためには、関係性の中で常識外のことが起こること、つまり一般論は通用しないこと、なので自分で考えていくしかないこと、を受け容れる。起こり得ることなんだと思えたら、自分から新しいことを起こすことができる。あとで詳しく書くけれど、いわゆるカリスマ的な人、その分野で歴史を変えるほどの影響力のあった人は、8室に外惑星、特に冥王星があることがとても多かった。

8室の「関係性」について、全体の天体としてはこんな感じ。あとで各天体それぞれについて書く。次以降チャートの例について書いていくが、次回はまず、このあとの話を整理するために、8室の基本的な意味について。