7・8室は「自分にないもの」といわれているけれど、そうだろうか。
確かに8室の状態は、付き合う人・親しくなる人のタイプを表してもいる。けれど、それは「自分に“全く”ない」ので外から補うというより、結論からいうと、むしろそれが「(一見ないように見えて)濃く内面にある」から引き寄せている気がする。8室は難しくて、なかなかしっくりする解釈がないように思っていたので、自分の言葉で考えてみた。私が思う8室の象徴は「圧縮」と「関係性(“支配”についてどう捉えているか)」。
まず「圧縮」。いわゆる雰囲気・存在感のある人は、1室もしくは(仕事・公の場でなら)10室が華やか。1室はまた主張の強さも表す。分かりやすいイメージとして、バンドや芸人さんなど、何かしらの2人以上のグループ・組織の中で、目立つほうの人。有名人でなくても、身近なところでイメージしてもいい。けれど、世の中には雰囲気はあるけれど、作る作品・仕事、また少し踏み込んだ話をした時など、思ったより中身は軽め・あっさりめというか、そういう人もいると思う。
それに対して、一見地味・貫禄/オーラがない・堂々としていない/おどおどしているなど、見せ方は上手くないけれど、作る作品/表現が深い/すごい・(芸人さんでいうと)目立たないけど実はネタ書いているほう、というタイプの人がいる。分かりやすくいうと、これが8室的なのだと思う。8室的な人は、常日頃から外に分かりやすくそれを出せていなくても、「ここぞ」という時に濃縮した何かを取り出せる。圧縮・増幅・醸造するためには、隙間なく密閉して、隠して保存して溜めておく必要がある。だから、普段はおいそれと外に出していないのだ。
芸人さんだとよく「じゃないほう」が、プライベートはやばいらしい。8室の強さが、例えばそんなふうに出る場合もあるかもしれない。8室はごく親しい(公的には見えない)人間関係も表す。8室の状態は、近しい人間関係の状態そのもの。またちょっと悪い例として、評論家・ライターさんなど文章では言いたい放題で、人前に出ると大人しいというのも、あまりかっこ良くないタイプの8室的な人だと思う。
8室の強い人が、それがどう外に出るか・出せるかは、ホロスコープ全体とのバランス・関連性なので、やはりホロスコープ全体を見ないといけなくなる。けれど、この時点で、8室は「全くないのではなく、隠れて濃くある」=「圧縮」されている、というイメージは伝わるかと思う。
では、それによって引き寄せるとは何か。話を分かりやすくするために、上の例に沿って、ざっくりと1室的な人・8室的な人とに分けて考えてみる。つまりどちらもそのハウス(室)が特に強い・派手な人という意味で。
1室的な人は、雰囲気/存在感がある・オーラが強い、またルックスも整っていたり、主張が強く自分を貫ける人も多いので、周囲は気圧されて遠慮する人も多い。対して、8室的な人は、人間関係で(天体にもよるが)巻き込まれ運が強く、変な人が寄って来やすい人生を送りやすく、変な人慣れしていることが多い。すると、例え自分自身に存在感がなくても、存在感のある人にあまり引かなくなる。また8室的な人は表面的なことに惑わされない。ほんのささいなヒントから人の本質を見抜いたりする。8室・蠍座的な人は、この世の常や真理といったことには、見方がかなり独特なため、大きく考え違いすることもあるが、人を見る目はかなり正確だと思う。
1室的な人に8室的な人は引かない・普通に接することができるため、1室的な人も8室的な人といると楽に思う。なので、みんなが憧れるようなキラキラした人が一見地味な人と一緒にいる時、実は1室的な人から8室的な人を好きになった場合も多い。8室はお金も表すので、お金を持っている場合もあるけれど、外身に惑わされない包容力があるから、そこで好かれることも多いように思う。(つづく)